薄毛改善 発毛薬ザガーロ(デュタステリド)の効果
ザガーロは厚生労働省に発毛効果が認めらた成分を含むAGAの治療薬です。
ヘアサイクルを正常化
ザガーロにはヘアサイクルを正常化する効果があります。ヘアサイクルとは髪の毛が生えて、抜け落ち、また生えてくるまでの一連の周期のことです。
ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」に分けられ、髪の毛の成長期が大部分を占めています。
成長期が終了すると、やがて髪の毛は抜け落ちますが、正常なヘアサイクルでは、抜け落ちた髪の毛穴からまた新しい髪の毛が生えてきます。
新しい髪の毛が生えてくると押し出されるように、成長期が終了した髪の毛が抜け落ちる、というのが正常なヘアサイクルなのです。
しかし、ヘアサイクルが正常でないと、成長期が短くなり、髪の毛が十分成長しないで抜け落ちてしまうのです。そして、そのような毛穴が多くなることで薄毛になってく訳です。
AGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)は男性にみられるす代表的な薄毛の状態ですが、これもやはりヘアサイクルが乱れることによって進行します。
ヘアサイクルを乱れされる髪に有害なサイトカインとしてTGF-βがあります。TGF-βは退行期誘発因子」と呼ばれ、髪の毛を退行期に誘発しヘアサイクルを乱します。
TGF-βは男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)と男性ホルモンのレセプターが結合する時に産生されます。
DHT(ジヒドロテストステロン)は男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼと呼ばれる還元酵素によって変化することで生じます。
ザガーロの有効成分であるデュタステリドが、この5α-リダクターゼの働きを阻害することでヘアサイクルを正常化し、抜け毛の進行の抑制に効果を発揮するのです。
ザガーロ(デュタステリド)の発毛効果
ザガーロは発毛効果も兼ね備えています。日本人を含むアジア人過半数を対象とした臨床試験では、従来のAGA治療薬であるプロペシアに比して、ザガーロは1.6倍の発毛効果を示したのです。
厚生労働省に認可されたAGAに効果がある成分として、このデュタステリド(ザガーロの有効成分)、フィナステリド(プロペシアの有効成分)、他にも、ミノキシジル、が挙げられます。それぞれどのような特徴と違いがあるか見ていきましょう。
ザガーロ(デュタステリド)とプロペシア(フィナステリド)の違い
プロペシアの有効成分フィナステリドも、ザガーロの有効成分デュタステリドも、どちらも元々は前立腺肥大の治療薬として使用されていました。
ところが、これらを服用している男性に発毛が見られることがわかったため、AGA治療薬として製造されるようになったのです。
ザガーロとプロペシアの違いは、有効成分の半減期の違いがあります。半減期とは、血中の濃度が半分になるまでの時間です。プロペシアの有効成分フィナステリドで、半減期が約4時間となっています。
一方、ザガーロの有効成分デュタステリドは半減期が約2週間とかなり長くなっています。有効成分が体の中に長時間とどまるため、プロペシアよりもザガーロの方が発毛の効果が高くなっているのです。
とはいえ、副作用のリスクもその分高くなることがありますので、医師の診断を受け、よく理解した上で用法用量を守り服用する必要があります。
ザガーロ(デュタステリド)とミノキシジルの違い
ミノキシジルとザガーロでは、発毛に対するアプローチ法が違っています。ザガーロの有効成分デュタステリドや、プロペシアの有効成分フィナステリドは、男性ホルモンのメカニズムに関わることで抜け毛を予防し、発毛を促進します。
一方で、ミノキシジルは血管を拡張することで、頭皮の状態を改善し、髪の毛が育つ環境を整えます。髪の毛は毛母細胞が分裂していくことで育ちますが、成長おためには血液が欠かせません。
なぜなら、血液が頭皮にも酸素や必要な栄養を運んでいるからです。毛母細胞は毛包部にある毛乳頭から栄養を受け成長します。そして毛乳頭は頭皮の毛細血管から栄養を受け取り、それを毛母細胞に供給しているのです。
ところが、頭皮の血行が悪くなると、毛乳頭が毛細血管から栄養を受け取れなくなるため、髪の毛の成長を妨げることになるのです。
塗り薬タイプのミノキシジルは、直接頭皮に塗布することで、血液循環を促進し、発毛の環境を改善することが可能となります。
ちなみに、プロペシアの有効成分フィナステリドとザガーロの有効成分デュタステリドは同様の作用機序であるため、原則として併用することはできません。
一方、ミノキシジルはフィナステリドやデュタステリドと異なる作用機序であるため、プロペシアと併用したり、ザガーロと併用したりすることが可能です。
日本皮膚科学会の策定する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、AGAの治療においてデュタステリド、フィナステリド、ミノキシジルはどれも「強く推奨する」治療法となっています。
デュタステリドの特徴
ザガーロがプロペシアよりも発毛効果が高い理由は半減期の違いによると説明しましたが、実はそれ以外にも理由があるのです。
デュタステリドやフィナステリドには、AGAの原因となる5α-リダクターゼの働きを阻害する効果があります。5α-リダクターゼは男性ホルモンのテストステロンを、DHT(ジヒドロテストステロン)に変化させる働きを持っています。
DHT(ジヒドロテストステロン)は、男性ホルモン受容器と結合し、抜け毛の元となる髪の毛に有害なサイトカインを産生します。
つまり、5α-リダクターゼの働きを抑えることができれば、薄毛を予防し、発毛を促すことが可能となるのです。
この5α-リダクターゼには1型と2型の2種類が存在します。
1型は全身の皮脂腺に多く分布しているため、遺伝子的に5α-リダクターゼ1型が活発な場合、皮脂の分泌量が多くなり、脂漏性皮膚炎のリスクを高めます。脂漏性皮膚炎は頭皮に多くAGAと密接な関係にあるとされています。
5α-リダクターゼ2型は前頭部や頭頂部に多く分布し、遺伝子的に5α-リダクターゼ2型が活発な場合、額の後退や、頭頂部の薄毛のリスクが高くなります。かつてはこの2型だけがAGAの発症に関係していると言われていましたが、実際には1型もAGAに関係していることがわかってきたのです。
プロペシアの有効成分フィナステリドには、主として5α-リダクターゼ2型の働きを阻害する効果がありますが、ザガーロの有効成分デュタステリドには、1型と2型双方の5α-リダクターゼの働きを阻害する効果を持っています。
それが、プロペシアよりもザガーロの方が高い発毛効果を期待できるもう1つの理由なのです。ザガーロの5α-リダクターゼ2型の働きを阻害する効果はプロペシアの3倍、5α-リダクターゼ1型に関しては、100倍以上の効果が期待されているということです。